マカオってどんなとこ?
概要
マカオは1999年までポルトガルの植民地でした。
中国大陸のヨーロッパ諸国の植民地の中ではもっとも古く、
域内に植民地時代の遺構が数多く点在しています。
このことから、2005年7月15日に、マカオの8つの広場と22の歴史的建造物が
「マカオ歴史地区」という名称で、
ユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録されました。
また マカオには、数多くのカジノが運営されていることから、
「東洋のラスベガス」ともいわれています。
歴史的建造物とカジノ目当てに、香港や中国、東南アジア、東アジアなどから多くの観光客が集まり、観光産業が賑わいをみせています。
マカオ‐香港間は24時間の高速船(約1時間)で結ばれており、
ヘリコプターの定期便も運航されています。
そのため、香港、中国からは日帰りの観光客も多くみられます。
マカオの人口はおよそ65万人、その内90%以上が華人で、最も多いのが広東人。
その中には客家人もおり、いずれの民族も近隣の広東省から来ています。
ポルトガル人は0.6%ほどで、マカイエンサと呼ばれる華人とポルトガル人の混血の民族もいます。
ちなみに華人(または華僑)というのは移住先の国籍を取得した中国系住民の事で、客家人(はっかじん)というのは漢民族の集団のひとつとされる民族集団のことです。
マカオの公用語は広東語とポルトガル語です。
各種公布や注意表記、道路標示などの公的なものでは、ほぼ全てで2言語併記が義務付けられています。
しかし、口語においてはポルトガル語はほとんど使われていません。
さらに極少数ではありますがマカオ語とも呼ばれているクレオール言語も存在します。
観光客対策として、普通話(中国語)、英語もあわせて表記されていたり、日本語が書かれている場所も見られます。
主要観光地付近で働いている人々は口語でも英語、さらには日本語までも話せる場合があります。
宗教は多種多様な宗教があります。
中国の民俗宗教、仏教、キリスト教、イスラム教、その他、無宗教と様々です。
マカオでのマナー・文化をいくつかピックアップしてみます。
・カジノやイミグレーションでの写真撮影やビデオ撮影の禁止
(世界遺産の建物や広場などはOK)
・身分証明書などの常時携帯(携帯していないと罰金)
・公共の場でゴミを捨てた場合罰金(唾や痰の吐き捨ても罰金対象)
・公共の場では禁煙(禁煙エリアで喫煙した場合罰金)
・ギャンブルはカジノなどの公営施設でのみ許可(私設賭博は法律により禁止)
「観光客だから」などといって見逃してくれると思わずに、十分注意しましょう。
マカオではチップの文化・習慣はありませんので、基本的にチップは不要です。
歴史
マカオがまだ澳門だった頃、広州 (広東)の下流、珠江の河口に位置する「交易の門」として知られていた頃のことです。
最初にこの地に入植したのは福建省の漁師と広東省の農民だったと言われています。
その昔から、ローマへ送る絹を積んだ船の出発地であり、この港町はシルクロードの一部となっていました。
ポルトガル人が初めてマカオに来航したのは大航海時代の16世紀初頭頃でした。
1557年にポルトガルはマカオの永久居留権を獲得し、
マカオを貿易やカトリック布教の拠点としました。
そのため、マカオにはカトリック教会が今もなお多数残されています。
ポルトガルがマカオを植民地化したのは1849年。
ポルトガルによるマカオの植民地化は、アヘン戦争によってイギリスが香港を植民地としたことに触発されたため行われました。
なぜこれまでにポルトガルがマカオを植民地としなかったかというと、
日本の江戸幕府の鎖国によって貿易で利益を上げることが困難になったことや、
マカオが貿易拠点としての価値を失っていたことなどが要因とされています。
第二次世界大戦では、ポルトガルが中立を宣言したためにマカオは東アジアにおける中立港となりました。
そのため、経済的に繁栄しましたが、日本と中華民国の戦いが続いたことから中国人の難民が大量流入することになりました。
1966年のマカオ暴動(一二・三事件)によって、ポルトガルの勢力が大きく弱まることになります。
これは、中国で起こった文化大革命の刺激により勃発しました。
マカオ警察がデモ隊に向けて発砲したことにより、
2名死亡させてしまったことに対し、中国側はポルトガルに対して謝罪や慰謝料の支払いを要求します。
さらに、中国共産党がマカオ統治に参加することを要求しました。
当時、ポルトガルは国力が低下しており、マカオに駐留させている軍事力が弱かったため、中国側の要求を飲まざるをえませんでした。
こうしてマカオでのポルトガルの勢力は弱まっていくことになりました。
1986年、中華人民共和国がイギリスとの間で進める香港返還交渉と平行してマカオ返還交渉も開始されました。
翌1987年には、両国が共同声明を出し、1999年に行政権が中華人民共和国に譲渡されることが決定します。
返還は1999年12月20日に実現し、マカオは中華人民共和国の特別行政区「マカオ特別行政区」となりました。
これにより、アジアから欧米の植民地は完全に姿を消しました。
マカオは中華人民共和国の特別行政区であり、香港と同様に「一国二制度」の恩恵を受けています。
過去のマカオは織物、電機業および玩具などの産業によって発展を遂げました。
現在は、埋め立て地の開発による大型複合施設、
アトラクションやカジノなど多様性を増すことでその規模を大きくしています。
地理
マカオは中華人民共和国広東省の珠江の最下流域に位置し、広州からは南西に145km、香港からは南西に70km離れています。
珠海市に接し、中国大陸本土南海岸に突き出たマカオ半島と、沖合いの島から構成されます。
マカオは亜熱帯地方に属し、夏が長く高温多湿になりますが、10℃以下になる冬の時期もあります。
観光のベストシーズンは10~12月の秋から初冬にかけて。
この時期は、さわやかな晴れの日が多くみられます。
香港と比較すると、年間を通じて2℃ほど寒いので少し注意しましょう。
5~8月の間は台風や霧などが多くみられます。
世界遺産をお目当てにしている場合、天気が悪くて…と、なってしまわないようにしたいですね。
とにかく湿度が高いので、実際の気温よりも熱く感じることがあります。
汗をかいて冷えて風邪をひいてしまったということがないように対策はしっかりしておきましょう。
通貨
マカオでの基本通貨はパタカ(pataca:MOP)で、
1パタカは100アボス(avos)になります。
硬貨:10、20、50アボスと1、2、5、10パタカ
紙幣:10、20、50、100、500、1000パタカ
紙幣は、ポルトガル系の大西洋銀行と中国系の中国銀行の2箇所で発行されています。
また、マカオでは、香港ドルも流通しており、1HK$=1.03MOPと、ほぼ等価で使用することが可能です。
ほんの少しだけパタカの方がお得ですので、
クレジットカードの支払いで通貨を選べる際には、パタカを選ぶといいかもしれません。
ちなみに、香港ではパタカを使うことはできません。
日本円からパタカへの両替は、手軽さやレートなどを考慮すれば、
マカオに到着してからの換金がおすすめとされています。
マカオ国際空港のほか、町中の銀行やホテル、公認両替商でも日本円からパタカへ両替できます。
両替レートはそれぞれ異なり、一般的に町中の銀行などの方が交換レートが良く、
ホテルのフロントや両替所などだと若干交換レートが悪いといわれています。
もし、香港→マカオという旅程の場合、先に触れましたがマカオでは香港ドルも流通しています。
そこで、日本または香港で日本円から香港ドルに両替して、
マカオに到着してからも香港ドルを使用することで、為替レートによる換金の無駄を抑えることができます。
為替レートも考えると、香港に到着してから日本円を香港ドルへ両替するのがおすすめです。
また、マカオのカジノでは、基本的に香港ドルが使われているので、そちらが目的の場合でも不自由はしないでしょう。
ただし注意したい部分もあります。
それは、パタカの外貨交換はマカオでしかできないということです。
香港でも、日本でも、パタカの換金はできませんので注意しましょう。
観光名所(世界遺産、カジノ施設など)
マカオにはたくさんの見所や観光名所があります。
その中でも聖ポール天主堂跡は特に有名な観光名所です。
極端な言い方をしてしまうと「壁しかない」ですが、
マカオの象徴ともいえる最も有名な観光名所であるとともに、貴重な世界遺産になっています。
その他にも、聖ポール天主堂跡や聖ドミニコ教会などの世界遺産が徒歩圏内にあるセナド広場や、マカオの名前の由来になったといわれているマカオ屈指のパワースポット媽閣廟もおすすめです。
マカオの歴史を学ぶことができる博物館や、図書館などに足を運んでみるのもいいですね。
忘れてはいけない、マカオといったらやっぱりカジノ。
有名というか老舗?のリスボアが立地という点でもおすすめです。
さらにすぐ近くには新しいリスボア(グランド・リスボア)もあるので、
新旧を観光気分で見比べてみるのもいいですね。
ザ・ベネチアン・マカオという全室スイートの大型カジノホテルも見逃せません。
中にはショッピングモールがあり、ホテル内にはなんと川が流れています。
さすがの5つ星なので、お値段は結構ですがそれに見合った満足感が得られると思います。
最後に、アクティビティを楽しみたいなら、お勧めはマカオタワーです。
あの高いタワーから(高さ223m地点から)バンジージャンプを飛んでみたり、展望台の窓の外側を命綱だけで歩いてみたり。
さらには、マカオタワーは高さ338mなのですが、
その338m地点に昇ったりとなかなか体験できないようなアクティビティを楽しむことができます。
もちろん、普通に景色を楽しんだり、食事をしながらマカオの街並みを眺めることもできます。
あとがき
マカオについての理解を深めることはできたでしょうか?
できることなら現地へ赴き、世界遺産をその目で見たり博物館などで歴史を感じ、マカオタワーやカジノで現代のマカオにも触れてみてください。
1日でマカオを楽しむツアーなどもあるので、お好みのマカオ旅を探してみてください。
きっと楽しい旅が貴方を待っているはずです。
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